桜道

一生に一曲でいい、
これが日比康造の曲だ、と言えるものを作って死んでいきたい。
そう、喉から手が出るほど願い、毎日曲作りに向かっていた20歳前後。

ところが最初から名曲を書こう書こうとするあまり、気持ちばかりが先行して、
素直な言葉がまったく出てこない。メロディも浮かばない。

認められたいと思うほど身体がこわばった。
時間ばかりがただただ無為に過ぎていくばかりでした。

春夏秋冬、繰り返される日々の中で、
桜開花の一週間だけ、河川敷に溢れるほどの人が集まる。
そしてあっという間にまた元の静けさに包まれる。桜はずっと桜なのに。

そんな多摩川河川敷の様子が、ふと自分の心に重なった瞬間、
涙があとからあとから溢れてきたのです。

自作の曲など一曲もない名ばかりのミュージシャンだった僕が
20代も半ば過ぎて初めてひとつ殻を破ることが出来たのがこの曲でした。

先が全く見えない真っ暗闇の中で絞るように書いた曲。
誰かの心にそっと届きますように。



桜道


雨に舞う桜の中 前だけ見て走って帰る
足もと転がる花びらは 宴のあとに何想う

人の波に揺られながら いずれの日にか咲いてみたいと
同じ夢を見てふるえた日々を 覚えているか 雨の桜よ

大空を羽ばたく鳥も
濡れた羽を今は静かに休めて 晴れ間を待つ

冷たい雨が花を散らせど そこに一つの優しさを見て
悲しいときには泣けばいいと 教えているのか 雨の桜よ

同じ景色を何度見ただろう 
遠きあの日の熱に 偽りはないと言えるまでは

雨に舞う河川敷 今は苦しき君を想う
あぁここまで来たのだと笑って 次に会うはいつの日か

雨煙る桜道 しぶき上げて走り抜ける
足もと転がる花びらは 宴のあとに何想う





コメント

非公開コメント

ようこそ!

ライヴ情報

日比康造

Author:日比康造
日比康造HP
www.kozohibi.com

次のライブ♪


最新ライブ情報
















過去の記事(月別)

天気予報(クリックで詳細)


-天気予報コム- -FC2-

ブログ内検索

Powered By FC2ブログ

オンライン・カウンター

現在の閲覧者数: